トラブルシューティング¶
このページでは、現在の実装に基づいて起こりやすい Koharu の問題を扱います。主な対象は、初回ダウンロード、ランタイム初期化、GPU フォールバック、headless / MCP アクセス、パイプライン段階の順序、ソースビルド周りです。
最初に切り分けること¶
トラブルシュートするときは、まずどの層が壊れているかを切り分けてください。
- アプリ起動
- ランタイムまたはモデルのダウンロード
- GPU アクセラレーション
- detect、OCR、inpaint、render などのページパイプライン段階
- headless または MCP 接続
- ソースビルドとローカル開発
ここが分かるだけで、かなり問題を狭められます。
初回起動で Koharu がきれいに起動しない¶
考えられる原因:
- ランタイムライブラリのダウンロードまたは展開がまだ終わっていない
- 初回モデルダウンロードが進行中
- app-data ディレクトリに対するローカル権限が不足している
- GPU 初期化に失敗し、フォールバック中に問題が出ている
試すこと:
- 特に遅いディスクや回線では、最初の起動時はもう少し待つ
--download付きで一度起動し、GUI を開かずにランタイム依存物を先に取得する--cpu付きで一度起動し、GPU 経路が原因かどうか確認する--debug付きで一度起動し、コンソールログを確認する
# macOS / Linux
koharu --download
koharu --cpu
koharu --debug
# Windows
koharu.exe --download
koharu.exe --cpu
koharu.exe --debug
--cpu では動き、通常起動では動かない場合、問題は一般的な起動経路ではなく GPU 経路にあることが多いです。
モデルやランタイムのダウンロードに失敗する¶
Koharu は初回利用時に、次のためのネットワークアクセスを必要とします。
- llama.cpp のランタイムパッケージ
- 必要に応じた GPU ランタイム支援ファイル
- 既定の vision / OCR モデル群
- 後から選ぶオプションのローカル翻訳モデル
起こりやすい原因:
- 一時的なネットワーク障害
- GitHub release asset やモデルホスティングへのアクセス遮断
- app-data ディレクトリに対するローカルファイル権限の問題
確認すること:
- そのマシンから GitHub と Hugging Face のダウンロード先に到達できるか
--downloadを再試行すると成功するか- 別プロセスやセキュリティツールがローカルランタイムディレクトリ内のファイルをロックしていないか
失敗が続く場合は、まず別ネットワークで試してください。そうすると、マシン固有の問題か upstream への到達性の問題かを早く分けられます。
NVIDIA GPU があるのに CPU にフォールバックする¶
Koharu が CUDA 13.1 対応を確認できない場合、これは想定された挙動です。
現在のランタイム挙動は次の通りです。
- NVIDIA ドライバを検出する
- ドライバ互換性を問い合わせる
- ドライバが CUDA 13.1 対応を報告した場合のみ CUDA を使う
- それ以外は CPU にフォールバックする
試すこと:
- NVIDIA ドライバを更新する
- 更新後に Koharu を再起動する
--debugで挙動を確認する
ドライバが古い、または CUDA チェックに失敗する場合、Koharu は中途半端な CUDA 構成より CPU を優先します。
OCR、inpainting、export で何かが足りないと言われる¶
これは単純にパイプライン順序の問題であることがよくあります。
現在の API と MCP 層でよくある例:
No segment mask available. Run detect first.No rendered image foundNo inpainted image found
多くの場合、必要な前段階の出力がまだ存在していないだけです。
順番は次を使ってください。
- Detect
- OCR
- Inpaint
- LLM Generate
- Render
- Export
rendered layer や inpainted layer がないせいで export が失敗しているなら、何度も export をやり直すのではなく、欠けている段階を先に実行してください。
ページの detection や OCR の品質が悪い¶
よくある原因:
- 低解像度の元画像
- 変則的なページ切り出し
- 強いスクリーントーンやノイズの多いスキャン
- 作画と重なった難しい縦書きテキスト
- detection 後の配置が悪い、または重複したテキストブロック
試すこと:
- 可能なら、よりきれいなページ画像から始める
- 翻訳前に検出されたテキストブロックを確認する
- 明らかにおかしいブロックを直してから後工程に進む
- 構造修正後に後段階を再実行する
構造が壊れていると、OCR もレンダリングもブロック形状に依存するため、下流の品質も一緒に悪化しやすくなります。
headless モードは起動するが Web UI を開けない¶
まず基本を確認してください。
--headlessを付けたか- 固定ポートを指定したか
- プロセスがまだ動いているか
例:
koharu --port 4000 --headless
その後、次を開きます。
http://localhost:4000
重要な実装上の点:
- Koharu は
127.0.0.1にバインドされます
つまり、ローカル Web UI は、自分でネットワーク公開しない限り同じマシンからしか見えません。
また、選んだポートを別プロセスがすでに使っていないかも確認してください。
MCP クライアントが接続できない¶
固定ポートを使い、クライアントは次に向けてください。
http://localhost:9999/mcp
よくある間違い:
/mcpではなくルート URL を使う--portを付け忘れる- Koharu プロセスがすでに終了したあとに接続しようとする
- ポートを明示的に公開せず、別マシンから到達できると思う
通常の headless Web UI アクセスは動くのに MCP だけ動かない場合、まず URL のパスが正しいかを確認してください。サーバー障害より単純なパス間違いのほうが多いです。
Antigravity、Claude Desktop、Claude Code を使う場合は、MCP クライアントを設定する にあるクライアント別設定に従ってください。
読み込みしても何も起きないように見える¶
現在文書化されている読み込みフローは画像ベースです。Koharu が受け付けるのは次の形式です。
.png.jpg.jpeg.webp
フォルダ読み込みでは、これらの拡張子だけに再帰的に絞り込みます。
フォルダを読み込んだのに空に見える場合は、そのフォルダに対応画像ではなく、アーカイブや PSD など別形式しか入っていない可能性を確認してください。
export が失敗する、または想定と違う出力になる¶
現在のパイプライン状態に合った出力形式を選んでください。
- rendered export には rendered layer が必要
- inpainted export には inpainted layer が必要
- 編集可能なテキストや補助レイヤーを残したいなら PSD export が最適
加えて、次も覚えておいてください。
- rendered export には
_koharuサフィックスが付く - inpainted export には
_inpaintedサフィックスが付く - PSD export は
_koharu.psdを使う - 従来 PSD export は
30000 x 30000を超える画像を拒否する
極端に大きなページなら、PSD export を期待する前にリサイズまたは分割してください。
Windows でソースビルドに失敗する¶
Windows のビルドヘルパーは次を前提にしています。
- 既定の CUDA ビルド経路向け
nvcc - Visual Studio C++ tools に含まれる
cl.exe
Bun ラッパースクリプトは両方の自動検出を試みますが、どちらかが見つからないと Tauri が立ち上がる前に失敗することがあります。
プロジェクト推奨のラッパーコマンドを使ってください。
bun install
bun run build
Tauri コマンドを自分で制御したい場合は次を試します。
bun tauri build --release --no-bundle
より低レベルな Rust ビルドには次を使います。
bun cargo build --release -p koharu --features=cuda
まずアプリが動くかどうかだけ確認したいなら、CUDA ツールチェーン全体を追う前に CPU-only 起動を試すほうが早いことがあります。
手動で選んだ feature path が原因でソースビルドに失敗する¶
デスクトップビルドはプラットフォーム依存です。
- Windows と Linux は
cuda - Apple Silicon の macOS は
metal
低レベルの cargo コマンドを手動で叩く場合、プラットフォームに合わない feature を指定すると、ビルド失敗や不整合なバイナリの原因になります。ソースからビルドする のプラットフォーム別例に従ってください。
ローカルでのデバッグを打ち切ってよいタイミング¶
次の状態なら、問題報告に十分な切り分けはできています。
--cpuでは動くが GPU モードでは動かない- 健全なネットワークでも
--downloadが一貫して失敗する - 同じページで毎回再現するパイプライン障害がある
- headless モードは起動するのに、正しい
localhostURL でも失敗する
この段階では、次を集めてください。
- OS とハードウェア情報
- 実行した正確なコマンド
--cpuで結果が変わるか- 正確なエラーメッセージ
- その問題が特定の 1 ページだけか、すべてのページで起きるか